パリの街角散歩です。カタツムリのようにゆっくりと迂回しながら、そして時間と空間をさまよいながら歩き回ります。


2016年2月1日月曜日

散歩R(18-5) 画家ゴーギャン独身時代の住居 Ancienne demeure de jeune peintre Gauguin avant son mariage(9区サン=ジョルジュ地区)


(c) Google Map Streetview
 15, rue La Bruyère, 9e
☆ラ・ブリュイエール通り15番地 (15, rue La Bruyère, 9e)  
《画家ゴーギャン独身時代の住居》

普仏戦争後の1871年、ゴーギャン(Paul Gauguin, 1848-1903)は海軍を除隊してパリにやって来た。23歳だった。パリに住んでいた母親は4年前に41歳で死去しており、母と親しくしていた実業家のギュスターヴ・アロザ(Gustave Arosa)の紹介で、ベルタン商会の株式仲買人として働き始める。ゴーギャンはそこで真面目に働いたので、安定した収入を得て、この15番地の家に翌1872年から住んだ。勤務先がラフィット通りで、画廊が多かったためか、絵画に興味を持ち始めたゴーギャンは、休みの日には美術に造詣が深かったアロザ自身から手ほどきを受けた。そのアロザの家で出会ったデンマーク人女性のメット=ソフィ・ガット(Mette-Sophie Gatt)と1873年11月22日に結婚する。9区の区役所で婚姻届に署名し、区長の祝福を受け、その近くの贖罪教会でミサを挙げた。
Gauguin: Sous-Bois(St Cloud) 1873
@paul-gauguin.net
夫婦は早速新居を探し、近くのサン=ジョルジュ広場に面した瀟洒なアパルトマンに1874年の年明け早々に引っ越すことになる。(LAI)

(→)右掲は1873年に描かれた『森の草地(サン=クルー)』の絵で、作品としては最初期にあたる。まだ印象派の第1回展覧会の前年なので、ゴーギャンが自分でパリ郊外に出かけて行って描いたものだが、すでにコローやピサロの画風に共通するものがうかがえる。展覧会でピサロと知り合って意気投合するのも当然である。

◇パリ蝸牛散歩内の関連記事:
9区サン=ジョルジュ地区(17-2)《画家ゴーギャンの新婚家庭》
http://promescargot.blogspot.jp/2016/01/17-2.html


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