パリの街角散歩です。カタツムリのようにゆっくりと迂回しながら、そして時間と空間をさまよいながら歩き回ります。


2016年2月23日火曜日

散歩R(20-4) 作家モーリス・バレスの青年期の住居 Demeure de l'écrivain Maurice Barrès à sa jeunesse(9区サン=ジョルジュ地区)

☆シャプタル通り14番地 (14, rue Chaptal, 9e)
《作家モーリス・バレスの青年期の住居》
(c) Google Map Streetview
 14, rue Chaptal, 9e

14番地には作家のモーリス・バレス(Maurice Barrès, 1862-1923) が1886年から1889年までの3年余り住んでいた。23歳から27歳までの青年期にあたる。

彼はロレーヌ地方出身で20歳からパリに上り、雑誌の記事を書きながら高踏派や象徴主義の詩人の集まりに出入りした。彼の文才は早くから開花し、この間26歳で三部作「自我礼拝」(Le Culte du moi)を発表した。

Barrès : Le Culte du moi
Livre de poche






その後彼は政治活動にも加わり、普仏戦争によって失われた故郷アルザス・ロレーヌ地方の奪還を訴える立場からも国粋主義的な傾向を強め、フランス国家の崩壊の危機(une menace de désintégration de la communauté nationale)を訴えた。1889年には出身地ナンシーの議員として選出された。またドレフュス事件では反ドレフュス派の旗頭として論戦に加わった。

1897年から彼の代表作となる「根こぎにされた人々」(デラシネLes Déracinés)を始めとする新しい三部作を書いた。これはもはや小説というよりも国土に対する忠誠の念を表わした思想書であった。1906年にはアカデミー会員に選出された。


*参考Link :100年前のフランスの出来事:
モーリス・バレスの新作小説『コレット・ボードシュ』 (1909.01)
http://france100.exblog.jp/11796182/


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