(c) Google Map Streetview 17, rue Clauzel, 9e |
タンギー爺さんの店の斜め向かいの家に、短編小説の名手として評価の高い作家ギィ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant, 1850-1893)が住んでいた。(19番地と書いているガイドブックもある)彼が暮らしたのは26歳から32歳までの約6年間である。彼の母親が文豪フロベールと親しかったため、勤務先の文部省での働き口や文壇への人脈づくりなどフロベールから大いに世話を受けた。彼はそれに応えるべく、昼は役所で働き、夜は文筆活動に精励した。彼が30歳の時に発表した『脂肪の塊』(Boule de suif, 1880)が一躍有名となり、作家としての地位を確立した。
画家のゴッホもモーパッサンを愛読した一人で、書簡で度々彼の著作についての感想を述べている。しかし、ゴッホがパリに出てきたときは、モーパッサンは人気作家となっており、この家から出て17区の住居に引越ししていた。
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(←)アンリ・モニエ通りの方から振り返って見たクローゼル通り。通りの右手中央奥の黒ずんだ建物付近がモーパッサンの住居だった。