(c) Google Map Streetview 33, rue des Martyrs, 9e |
通りを上がっていくと、左手のクローゼル通りとの角に小さなホテルがあるが、その入口上部の装飾は、やや間が抜けたような獅子頭が王冠をかぶったような意匠で面白い。
クローゼル通りに入る前に角から2~3軒先の40番地の家を見ておきたい。
(c) Google Map Streetview 40, rue des Martyrs, 9e |
モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937) はフランス南西部バスク地方で生まれたのは確かであるが、生後3カ月で一家はパリのこの家に引越ししてきた。父親はそれまで技師として、バスク地方で鉄道建設に関わる仕事をしていたようだ。
ラヴェルの音楽にはバスクやスペインの色彩のあふれる民俗的要素が特徴とされるが、彼自身がその土地で育ったわけではないということは意外と知られていない。たしかに母親は生粋のバスク人であり、その感性はラヴェルにも受け継がれていたと思われる。一家はここで5年間暮らしており、その間に弟のエドゥアールが生まれている。