パリの街角散歩です。カタツムリのようにゆっくりと迂回しながら、そして時間と空間をさまよいながら歩き回ります。


2015年10月21日水曜日

散歩R(6-4) 作曲家ラヴェルの幼児期の家 Maison de compositeur Ravel dans son enfance(9区サン=ジョルジュ地区)

(c) Google Map Streetview
 33, rue des Martyrs, 9e
☆マルティール通り33番地 (33, rue des Martyrs, 9e) 

 通りを上がっていくと、左手のクローゼル通りとの角に小さなホテルがあるが、その入口上部の装飾は、やや間が抜けたような獅子頭が王冠をかぶったような意匠で面白い。


クローゼル通りに入る前に角から2~3軒先の40番地の家を見ておきたい。





(c) Google Map Streetview
 40, rue des Martyrs, 9e
☆マルティール通り40番地 (40, rue des Martyrs, 9e)   《作曲家ラヴェルの幼児期の家》

 モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937) はフランス南西部バスク地方で生まれたのは確かであるが、生後3カ月で一家はパリのこの家に引越ししてきた。父親はそれまで技師として、バスク地方で鉄道建設に関わる仕事をしていたようだ。

 ラヴェルの音楽にはバスクやスペインの色彩のあふれる民俗的要素が特徴とされるが、彼自身がその土地で育ったわけではないということは意外と知られていない。たしかに母親は生粋のバスク人であり、その感性はラヴェルにも受け継がれていたと思われる。一家はここで5年間暮らしており、その間に弟のエドゥアールが生まれている。