《タンギー爺さんの店跡》 (Emplacement de la boutique de Père Tanguy)
(c) Google Map Streetview 14, rue Clauzel, 9e |
ここはタンギー爺さん(Père Tanguy)ことジュリアン・タンギー(Julien Tanguy, 1825-1894)が画材を売っていた店の跡である。現在は複製画の展示や記念品を売っているようだ。見ての通りの質素な店構えで、画像(←)の左手の門の上に銘板がある。当時まだ評価されていなかった印象派の画家たちが出入りしていた。彼らは自分の描いた絵を持ち込んでは必要な絵具や画材の代金がわりに引き取ってもらうことが多かった。タンギー爺さんにとってはかろうじて商売が成り立つ程度のつましい生活だったが、彼らの信念と情熱を信じて支援し続けたのだ。
印象派の巨匠クロード・モネが回想して語ったことによると、まったく売れない画家だった時期に、彼らはタンギー爺さんの店先に週一回自分の絵を飾ることを始めたという。「月曜日はシスレー、火曜日はルノワール、水曜日はピサロ、木曜日はモネ、金曜日はバジル、土曜日はヨンキント」ということで、それぞれがその日店頭に自分の絵を持っていって飾り、タンギー爺さんと一緒に店番をしたのである。
Vincent van Gogh : Portrait de Père Tanguy, Collection particulière |