(c) Google Map Streetview Rue Lamartine |
54番地とミルトン通りとの角の辺りには現在のロレット教会の前身である小さな礼拝堂があったが、革命期に取り壊された。また、このあたりからモンマルトルの丘の傾斜が始まるので、ロバに乗って楽に登れるようにと「貸ロバ処」(la cour aux Ânes)と称する場所があった。
この通りの名前の由来は、19世紀ロマン派の詩人で政治家だったアルフォンス・ド・ラマルティヌ(Alphonse de Prat de Lamartine, 1790-1869) による。
Un ange déchu (Lamartine) - portrait-charge Crédit : Paris, Bibliothèque nationale de France (BnF) Photo (C) BnF, Dist. RMN-Grand Palais / image BnF |
1830年の7月革命前後から政治活動に関心を深め、穏健派の代議士となった。1848年の2月革命時には主導的な役割を果たし、外務大臣を務めた。その後、大統領選挙に立候補したが、ルイ=ナポレオン(ナポレオン三世)に完敗し、政界から遠ざかった。右掲(→)の風刺画は「ある堕天使」という題がついているが、これは彼の詩作品『ある天使の失墜』(La chute d'un ange)にかけて彼自身の政治的な失意を揶揄したものと思われる。