パリの街角散歩です。カタツムリのようにゆっくりと迂回しながら、そして時間と空間をさまよいながら歩き回ります。


2016年1月5日火曜日

散歩R(15-1) ドーマル通り Rue d'Aumale, 9e(9区サン=ジョルジュ地区)

フランス語の母音で始まる固有名詞の前にdeがつくと、d' となって連音(リエゾン)される。例えば、三銃士の「ダルタニャン」(d'Artagnan)、作曲家の「ダンディ」(d'Indy)などである。従ってここでも「ドーマル通り」(rue d'Aumale)とした。

この通りの名前はドーマル公爵(Duc d'Aumale)のアンリ・ドルレアン(Henri d'Orléans, 1822-1897)にちなんでいる。七月革命後に王位についたオルレアン公ルイ=フィリップ(Louis-Philippe d'Orléans, 1773-1850)の四男で、軍人で歴史家であった。特にアルジェリアの統治者として功績があった。(DNR)

(c) Google Map Streetview
19, rue d'Aumale, 9e

☆ドーマル通り19番地 (19, rue d'Aumale, 9e)

テブー通りとドーマル通りの角にある建物にも仮面像(マスカロン)が見られる。女性像のほうがすべすべした首筋まで見えるのも魅力的である。

ドーマル通り側19番地にある正面入口の上部には2人の幼児(天使の翼が見えない)像が支える門飾りがある。1854年の制作、彫刻家はジュソ(A. Joussot)と刻銘されている。




(c)Photo Emoulu bc28, 2013
19, rue d'Aumale, 9e





























(c) Google Map Streetview
 24, rue d'Aumale, 9e

 ☆ドーマル通り24番地 (24, rue d'Aumale, 9e)

通りを少し西側に進んだ24番地にもこぢんまりとまとまった持ち送りと門飾がある。鬼の面のような角と牙のある顔が装飾模様の中に混じっていて面白い。

(c)Photo Emoulu bc27ad, 2013


 
☆ドーマル通り10番地 (10, rue d'Aumale, 9e)
PA00088923 © Monuments historiques, 1992

24番地から通りを引き返して10番地まで戻ると、歴史的建造物に登録された個人住宅がある。木彫の扉の装飾と、門飾との控えめな調和が散歩者の目を留めさせるのだと思う。1864年の建造で、建築士はシベール(Sibert)、彫刻家としてルィヨン(Rouillon)と記されている。
この通りの建物はほとんど1850~60年代、つまりナポレオン3世の第2帝政時代に建てられており、通り全体が往時の雰囲気を残している。


(c)Photo Emoulu bc08a, 2013

かたつむりの道すじ:⑮ドーマル通り~⑯サン=ジョルジュ通り~
⑰サン=ジョルジュ広場~⑱ラ・ブリュィエール通り (c) Google Map