(c) Google Map Streetview 44, rue Notre-Dame de Lorette, 9e |
44番地は印象派の先駆者とされる風景画家のドービニー(Charles-François Daubigny, 1817-1878)のアトリエがあった家である。代々画家の家系に生まれ、早くから画家としての養育を受けた。20代後半からバルビゾンに拠点を構え、大自然の只中で制作するという手法は、印象派の画家たちに先行し、手本となった。自らボートをアトリエに造作を変え、セーヌ川やオワーズ川の河岸や沼地の風景を描き続けた。
彼はモネやシスレー、ピサロたちの新たな表現手法に一目を置き、1870年のサロン展で相変わらず頑迷な審査員たちに腹を立てて、自ら審査員を辞める行動に出た。ロンドンではピサロとモネを画商のデュラン=リュエルに引き合わせたりして印象派の評価を高める手助けをした。(LAI)
Charles-François Daubigny : Soleil couchant sur l'Oise Angers, musée des Beaux-Arts Crédit:Photo (C) RMN-Grand Palais / Benoît Touchard |
(←)左掲はドービニーの「オワーズ川の日没」という作品であるが、印象派の光のとらえ方に限りなく近づいた名品であると思う。