☆ノートルダム・ド・ロレット通り58番地 (58, rue Notre-Dame de Lorette, 9e)
(c) Google Map Streetview 58, rue Notre-Dame de Lorette, 9e |
現在の58番地の建物ではないように思われるが、この場所に1844年10月から1857年12月までの13年余り、ロマン主義絵画を代表する画家ドラクロワ(Eugène Delacroix, 1798-1863)が暮らしたアトリエがあった。下掲(↓)の版画は1850年頃の絵入り新聞に掲載された当時のアトリエの様子を描いたもので、
Atelier d'Eugène Delacroix - Edmond Texier : Tableau de Paris, Chap.43, 1852-53 @ BnF-Gallica |
46歳から59歳の壮年期を迎え、すでに巨匠としての名声を確立しており、リュクサンブール宮やブルボン宮(国民議会)など公的機関の建物の装飾画の注文が次々と続き、非常に多忙かつ充実した時を送った。下掲(↓)はその時期に制作されたリュクサンブール宮の上院議会図書館の天井画「ダンテをホメロスに紹介するヴェルギリウス」である。
Delacroix Eugène :Virgile présentant Dante à Homère Détail de la coupole de la Bibliothèque du Sénat; Paris, Sénat - Palais du Luxembourg Photo (C) RMN-Grand Palais / Agence Bulloz |
ドラクロワは58歳の1856年に大病を患い、依頼を受けていたサン=シュルピス教会の絵を完成させるために同じ左岸のサン=ジェルマン・デプレにあるフュルスタンベール広場の家に転居し、最晩年の6年を過ごすことになる。(PRR, CVP, LAI)