パリの街角散歩です。カタツムリのようにゆっくりと迂回しながら、そして時間と空間をさまよいながら歩き回ります。


2016年4月17日日曜日

散歩R(30-2) エスティエンヌ・ドルヴ広場 Place d'Estienne d'Orves, 9e(9区サン=ジョルジュ地区)

いよいよサン=ジョルジュ地区の散歩の最後となった。トリニテ教会の前の広場は戦前までは「トリニテ広場」(Place de la Trinité)と呼ばれていた。1944年にパリがナチ独軍の占領から解放された直後に、その3年前にレジスタンスの闘士の先駆けとしてドイツ軍に銃殺されたフランス海軍の士官エスティエンヌ・ドルヴ(Honoré d'Estienne d'Orves, 1901-1941)を記念してこの広場に名付けることにしたのである。広場の中に記念碑がある。(DNR)


☆エスティエンヌ・ドルヴ広場2番地 (2, place d'Estienne d'Orves, 9e)
☆サン=ラザール通り71番地 (71, rue Saint-Lazare, 9e)
☆シャトーダン通り60番地 (60, rue de Châteaudun, 9e)
PA00088950 © Monuments historiques, 1992

広場の東端に大きな建物がある。地下鉄の出入口のすぐ前にある。1868年と建築士シャルル・フォレスト(Charles Forest)の名前が刻まれている歴史的建造物。正面入口の大きな馬車門の両脇に見事なアトラント柱像がある。これはナント出身の彫刻家ジョゼフ=ミシェル・カイエ(Joseph-Michel Caillé, 1836-1881)の作である。彼は45歳で早世した。

(c)Photo Emoulu bc16fa, 2013
(c)Photo Emoulu bc16fa, 2013





































Auguste Renoir - Place de la Trinité (1875)
Collection particulière
Wikimédia commons
ルノワール(Auguste Renoir, 1841-1919) は30代の頃、近くのサン=ジョルジュ通り35番地にアトリエを構えており、1874年の第1回印象派展を開催する準備に追われていたが、このトリニテ教会の前の広場で風景画を何点か描いている。(←)左掲はそのうちの一点だが、いかにも楽しげなパリ風景である。人物はユトリロの描き方に似ている。

日本のひろしま美術館に別の「トリニテ広場」の絵があるので紹介する。
http://www.hiroshima-museum.jp/collection/eu/renoir.html






◇パリ蝸牛散歩内の関連記事:
9区サン=ジョルジュ地区(16-3) ルノワールのアトリエ
Emplacement de l'atelier d'Auguste Renoir
http://promescargot.blogspot.jp/2016/01/16-3.html