パリの街角散歩です。カタツムリのようにゆっくりと迂回しながら、そして時間と空間をさまよいながら歩き回ります。


2016年4月16日土曜日

散歩R(30-1) 聖トリニテ教会 Église Sainte-Trinité(9区サン=ジョルジュ地区)


☆エスティエンヌ・ドルヴ広場 (Place d'Estienne d'Orves, 9e)
《聖トリニテ教会》 (Église Sainte-Trinité)
PA00088906 © Monuments historiques, 1992


散歩者のルートからすれば、教会の裏手にあたるトリニテ通りから後陣に入る入口が手っ取り早いかもしれない。
(c)Photo Emoulu bc11fa, 2013

この教会は1867年にオスマン男爵によるパリ改造計画の一環として、グラン・ブルヴァールのイタリアン大通りから北に真っすぐ伸びるショセ=ダンタン通りが、オスマン大通りを横切ってサン=ラザール通りまで至る先に、この教会の正面が見通せるように建てられた。

パリの都市計画にはこうした「デブーシェ」(出口débouché)の美観、つまり道路の行き着く先に現れるランドマーク(repère)の存在を効果的に採り入れていたことがわかる。

正面中央にそびえる高さ65mの堂々たる鐘楼の存在感は大きい。建築家のバリュ(Théodore Ballu, 1817-1885)が16世紀のイタリア・ルネサンス様式を模して設計したものとされる。
(c)Photo Emoulu bc14a, 2013












教会内部の大オルガン(Grandes orgues)は1869年に名匠カヴァイエ=コル(Aristide Cavaillé-Coll, 1811-1899)によって作られたもので、特に現代作曲家オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen, 1908-1992)が23歳から亡くなるまでの61年間、この教会のオルガン奏者であったことが記憶されている。

Pierre-Paul Rubens - La Trinité
Neubourg, Bayerische Staatsgemäldesammlungen
Photo (C) BPK, Berlin, Dist. RMN-Grand Palais
/ image BStGS

「トリニテ」(Trinité)とはフランス語で「三位一体」の意味で、父なる神、子なるキリスト、聖霊の三つの位格による神の本質を示すものとされる。(←)左掲のルーベンスの作品にみられるように、聖霊は「鳩」として象徴的に表わされている。



(c)Photo Emoulu bc14f, 2013














(c)Photo Emoulu bc13fa, 2013









教会の前は気持ちのいい小公園(Square de la Trinité)になっている。特に花咲く春から夏にかけての季節は美しい。



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