《親密派の画家ヴュイヤールのアトリエ跡》 Emplacement de l'atelier de Vuillard, intimiste
(c) Google Map Streetview 6, place Adolphe Max, 9e |
目の前の小公園(ベルリオーズ公園Square Berlioz)を見下ろす絶好の家で、彼が40代の頃に描いた『ヴァンティミル広場』の装飾パネル画以来、この家に住むことが憧れとなっていた。
この家は、しばらくの間南西部バイヨンヌ出身のアカデミー派の肖像画家レオン・ボナ(Léon Bonnat, 1833-1922)の活動拠点だった。
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☆アドルフ・マクス広場(旧ヴァンティミル広場)Place Adolphe-Max (Ancien Place Vintimille)
http://promescargot.blogspot.jp/2016/11/5-1place-adolphe-max-ancien-place.html
ヴュイヤールの作風は「親密派」とか「内面派」と呼ばれるが、これは主義主張ではなく、フランス語で「アンティミスム」(intimisme)とか「アンティミスト」(intimiste)という、「内輪」とか「内向的」という意味の通り、専ら身近な家庭的な題材をいつくしみに満ちた視点で捉え、画面に表わした性向だと言われている。
(←)左掲は、1905年の「秋のサロン展」(Salon d'automne)に出されて評判を得た装飾画板『書斎』と『仕事机』で、平板的で地味な、曖昧な色調の室内で手仕事にいそしむ婦人たちの姿を描いている。
作家のアンドレ・ジィド(André Gide,
1869-1951)は当時の「美術雑誌」(ガゼット・デ・ボーザール Gazette des Beaux-Arts) に寄稿した「秋のサロン展を歩く」という評論の中でヴュイヤールの作品を大いに称賛している。
「彼は自らを心底から語っている。より直截的に作者と語り合っているこうした作品を私はあまり知らない。・・・その会話とは、彼が内緒話をするように本当に低い声で語り、相手がそれを聞こうと身を傾けるようなものなのだ。」
(Il se raconte intimement. Je connais peu d'œuvres où la conversation avec l'auteur soit plus directe. - - - Cela vient surtout de ce qu'il parle à voix presque basse, comme il sied pour la confidence, et qu'on se penche pour l'écouter.) André Gide : "Promenade au Salon d'Automne," Gazette des Beaux-Arts, Déc. 1905 @Gallica BnF
Vuillard : Démolition rue de Calais Pau, musée des Beaux-Arts Crédit Photo (C) RMN-Grand Palais / Benoît Touchard |
アドルフ・マックス広場3番地 (3, place Adolphe Max, 9e)
《画家ヴュイヤールの住居跡》 (Emplacement de domicile de Vuillard)
「画家エドゥアール・ヴュイヤールはこの建物のあった場所に1908年7月から1926年9月まで住んでいた。」
« Le peintre Édouard Vuillard (1868-1940) a vécu à l'emplacement de cet immeuble de juillet 1908 à septembre 1926. »
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Plaques_in_Paris_9e_arrondissement#/media/File:Plaque_%C3%89douard_Vuillard,_Place_Adolphe-Max,_Paris_9.jpg
彼はこの建物に愛着があったようで、新しい住居から見た古い建物の取り壊しの様子を(↑)「カレ通りの取り壊し」(La démolition rue de Calais)と題した何枚かの下絵に残している。